福島県白河市での出張工事のようす。小峰城石垣復旧工事
ホームページをご覧いただきありがとうございます。都立多磨霊園門前にございます豊島屋です。今回は、福島県白河市での出張工事のようすをご紹介いたします!
出張工事 福島県白河市 小峰城 石垣復旧工事 2024年11月~
実は現在、福島県白河市にて石垣復旧の出張工事を行っています。整備工事の全期間のうち、私は昨年 2024年の11月から今年 2025年の2月まで工事に参加しています。
今回工事が行われているのは、福島県白河市にある小峰城です。小峰城は14世紀半ばに築城され、江戸時代初めごろに大改修が行われましたが、天守をはじめ中核となる三重櫓も戊辰戦争で焼失していました。平成に入ってから「三重櫓」が歴史資料や発掘調査成果をもとに木造で復元されて、本丸の入口である「前御門」も復元されています。その後、2011年の震災時には小峰城の石垣が大規模崩壊してしまい、その復旧工事が数年前に完了しました。
今回は、震災前の復元工事に続いて、令和6年の5月より「清水門」を復元する工事が行われています。私は、文化財の石垣を修復するにあたって全国の技術者や研究者・行政の方々によって構成されている「文化財石垣保存技術協議会」で知り合った方からお話をいただいたことがきっかけで、工事に参加させていただくことになりました。
※白河市のページへ(復元の完成予想図が見られます) https://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page009117.html
奥に見えている、足場が組んである場所の間が「清水門」の場所です。清水門は二之丸と本丸を結ぶ重要な門で、高さ約11m、間口約14mと、小峰城の中では最大規模の櫓門(やぐらもん)でした。櫓門は、門の上に櫓という防衛や見張りのための建物がある門のことです。
私が担当したのは、門の両サイドの石垣の調整です。石垣の上に塀を設置するため、一段積み上げて平らにするなどの調整を行っています。昔の石工が作った石垣も扱いますが、石垣に使われている石はひとつが1トン近くもあります。今ならクレーンで簡単に吊り上げられますが、当時は人力のみですから、石が合わないからといって簡単に変えることもできなません。それでもここまでの石垣を造り上げていますから、「すごいなあ…!」と感嘆してしまいます^^
こちらは30年ほど前に復元された「三重櫓」で、右手に見えているのは三重櫓に続いて復元された「前御門」です。すべての工事期間は令和8年の3月までとなっていますが、石垣部分の工事はこの2月末頃に完了して、いよいよ門の復元が始まります。
こうした文化財の復元工事には、以前から関心がありました。実は以前から「手加工をしたい」という思いがありましたが、昔と違って今はお墓の製作時には機械で石を加工することがほとんどになっています。そのため、普段お墓のお仕事をしているときには難しいですが、数年前から様々な勉強を始めていました。協議会に入ったり、各種講習会に参加したりしている中で次第に輪が広がり、今回やっと現場に入るご縁をいただきました。文化財の復元工事では、昔の手加工の技術に多く触れることができるので、とても勉強になります。また、こうした工事で学んだことを、昔の職人さんのように現地で加工するなど、普段のお墓のお仕事にも活かすことができると考えています。お墓のお仕事はもちろん、今後も継続して取り組んでいきたいです。